粟島浦村消防団~自分の島を自分達の手で守る~
粟島浦村には、一般的な消防署はありません。なので、平時は自分達の手で火災や災害などに立ち向かわなければいけません。
地域社会における消防防災体制の中核として、消防署のない粟島で活躍する、「粟島浦村消防団」についてご紹介いたします。
なお、本記事は公開日時点の情報となりますので、予めご了承ください。
1.粟島浦村消防団について
日本全国ほとんどの自治体にある消防団と同じ組織となります。住民により組織され、火災や災害、人命に関わる案件などで活動に当たります。
粟島浦村消防団は、内浦地区を担当する第1分団(第1部~第3部)と釜谷地区を担当する第2分団(第1部~第2部)に分かれています。
令和4年3月時点で、全団員は90名、うち実団員は63名、災害時に招集される災害団員が37名となっております。
小さな島なので、昔からほとんどの島民が消防団に所属し、脈々と防災意識を受け継いできております。
2.消防演習
有事の際の備えとして、年2回の消防演習を実施しています。
消防演習では、団長を始めとした幹部職員からの指導を受け、消火活動に必要な動作や安全管理、地域特性について学びます。
近年は、移住者も消防団に入り、慣れない動きではありますが、地域住民の一員となって、島を守っています。
3.災害時について
近年の主な活動状況について簡単にご紹介いたします。
平成30年に、大雨による土砂災害が村で発生いたしました。道路は土砂により寸断され、倒木などもあり、危険な状況となりました。
その際、消防団を中心に、避難に時間を有する方の避難所への案内や、パトロール、避難所の運営などが行われました。
また、行方不明者などが発生した場合は、都度招集され捜索にあたっております。
これらの活動は、本来あまり多くない方が良いのですが、普段からの訓練の成果もあり、スムーズに活動がなされておりました。
4.最後に
ほとんどの移住される方にとっては消防団活動が初めてです。最初は戸惑うことも多く、何をしているかもイメージできないことも多いと思います。
それでも参加し続けることで、自分達の手で自分の住む場所を守ることの、大切さを、活動の意義を体と心で理解します。
人口減少や高齢化により消防団員の数が減ってきていますが、今後も粟島の災害対応の要として、活動を続けます。